8月は俺のターン!
暑い暑い暑い暑い・・・・
はいはい、それだけですね。
SIGN OF SOUL
第18話 ラーミアはプリンセス?
ラーミア:「さ、着いたわよ。
ここが私の暮らしている大国バンドーレよ。」
ヒロキ:「えっ!? ここがぁ!?」
学校の校門の数倍はある入り口の門、
町を守るためにあるビルのような高さの城壁、
そして、その中に広がる活気あふれた風景・・・
そのあまりにも大きなスケールに
俺はただただ驚くばかりだった!
ラーミア:「どうしたの? 入るわよ?」
ヒロキ:「・・・ラーミア、君ってすごい所で暮らしているんだな。」
ラーミア:「そう? 私はそう思ったことないけど。
それより早く行くわよ。」
ヒロキ:「あ、ああ。」
俺はラーミアに引っ張られるように
大国バンドーレの中に入った。
民衆1:「あっ! あのお方は・・・」
民衆3:「こうしてはいかん、祈らなくては!」
バンドーレの人々はラーミアを見るたび
こちらに手を合わして敬意を表していた。
ヒロキ:「な、なぁ、ラーミア?」
ラーミア:「何?」
ヒロキ:「皆こっちを見るたび両手合わしてるけど、
ラーミアってここじゃあ有名人か何かなのか?」
ラーミア:「それは後で話すから今は黙ってついてきて。」
ヒロキ:「・・・・・・・・・・・・・」
俺は何がどうなってるのかよくわからずにいた。
民衆4:「それにしてもラーミア様のとなりにいるあの少年は何なの?」
民衆5:「あんな奇天烈な格好してる奴がなぜラーミア様と一緒にいるのだ!」
民衆6:「ふん、きっと余所者だからわかってないだけじゃ!」
ボソボソ話しているので聞き取れないが、
何やら俺のこと良くない目で見てるのは
周りのみんなの様子から感じられた。
ヒロキ:「(一体何だって言うんだよ・・・
俺が何か悪いことでもしてるって言うのか!)」
俺は少し皆の態度にイライラし始めた・・・
ラーミア:「ンンッ!!」
ヒロキ:「!!」
民衆:「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ラーミアの突然の咳払いで
辺りは一瞬で静まり返った・・・
ラーミア:「・・・気にしないで、私についてきて。」
ヒロキ:「あっ、ああ・・・・・・・」
結局訳のわからぬままついていき、
辿り着いた先にはお城があった!
ヒロキ:「ラ、ラーミア? ここって・・・」
ラーミア:「見ての通り、この国の象徴であるお城
・・・バンドーレ城よ。」
さすが大国の象徴だけあって、
これまた言葉に表せられないほどの
大きくて立派できれいなお城だった!
???:「あっ、あれは・・・お嬢様!?」
何やら城の中から声がしてきた。
そして、入り口から人影が・・・
兵士:「お嬢様〜! 今までどこ行ってたんですか〜?」
城の兵士がラーミアのそばによってきて
とても心配そうにたずねてきた。
ラーミア:「ちょっと散歩に出かけてただけよ。」
ヒロキ:「ちょちょちょ、ちょっと待って!
‘お嬢様’って・・・ラーミア、君はまさか!?」
ラーミア:「そう。 私はこの国の国王
バンドーレ16世の子孫・・・つまりこの国の姫なの。」
ええええええええ!?
いきなりの衝撃的な真実を聞かされて
俺は飛び上がるくらい驚いた!
ヒロキ:「(じゃあ、俺は今まで・・・・・・)」
お姫様とタメ口で話して
お姫様と一緒になって歩いていたってっことか!?
俺はここに来て、民衆がなぜ俺のことを
良くない目で見ていたのかはっきり理解した!
兵士:「ところでお嬢様、この者は一体・・・?」
ラーミア:「ああ、彼は・・・」
ヒロキ:「ご、ごめんなさい!」
俺は自分が何て世間知らずなことをしてしまったのか!
そのことで頭がいっぱいになってしまった。
ラーミア:「ど、どうしたのよ突然!?」
ヒロキ:「俺・・・いえ、私があなたのことお姫様とは知らずに
色々とご無礼をした事をどうかお許しをぉ・・・」
俺はパニックのあまり土下座までして謝った。
もう自分でもどうして良いかわからなくなってきた・・・
兵士:「お嬢様! この者に何されたんですか!?
もしやお嬢様! みだらな事をされていませんか!?」
ラーミア:「そ、そんな訳ないでしょ!!
誰がそんな下品な人とお城に帰ってくるのよ!!」
兵士:「確かに・・・お嬢様の言うとおりですね。
では、この者は一体何者なのですか?」
ラーミア:「彼はヒロキと言って、私がモンスターに
襲われているところを助けてくれた命の恩人よ。」
兵士:「この少年が・・・モンスターからお嬢様を?」
ラーミア:「そうよ。」
兵士:「本当ですか? 私にはただの少年にしか見えませんが・・・」
ラーミア:「・・・私も初めはそう思ったわ。
でも、ヒロキは見ず知らずの私のこと命がけで助けてくれたのよ。
だから、ヒロキをここまで案内したのよ。」
兵士:「お嬢様がそこまで言うなんて・・・本当のことなんでしょうね。
でも・・・」
ラーミア:「‘でも・・・’何なのよ?」
兵士:「その少年、まだ土下座してますけど・・・」
ヒロキ:「・・・・・・・・・・・・・・
(こんなんで許してくれるだろうか・・・)」
俺は頭の中が混乱しているため、
2人の話が聞こえていなかった・・・
ラーミア:「(・・・も〜う、何してるのよ!)
ヒロキ! 顔を上げなさい!」
ヒロキ:「あっ、はい!」
ラーミア:「どうしてそんなすぐに謝るのよ!
別にヒロキは何も悪いことしてないじゃない。」
ヒロキ:「えっ、でも、俺はお姫様に向かってタメ口・・・」
ラーミア:「もう! いい加減にしてよ!」
ヒロキ:「!!」
ラーミア:「最初に約束したじゃない!
ヒロキがヒロキなら私はラーミアだって!
タメ口とかそんなの私は少しも気にしてないから
今まで通り、普通に話していいよ。 ね?」
ヒロキ:「ラーミア・・・。 いいのか?」
ラーミア:「当たり前でしょ? ね?」
兵士:「な、なぜ私にふるんですか?」
ラーミア:「いいから協力しなさいよ!
それとも、私の言うことが聞けないの?」
兵士:「わ、わかりましたよ・・・
そうですよ、え〜っと・・・ヒロキさんでしたっけ?
あなたはお嬢様の命を救ってくれた、言わばこの国の英雄ですよ?
その英雄が何を小さくなってるんですか!
もっと堂々としても誰もヒロキさんに罰を与えたりしませんから。」
ヒロキ:「本当に?」
兵士:「本当ですよ。 城に仕える私が言うんですから間違いないですよ!」
ラーミア:「(あんた、いつからそんな偉くなったのよ・・・)」
ヒロキ:「はぁ〜〜〜・・・
(た、助かってよかった・・・・・・)」
ラーミア:「ところで、お父様はいる?」
兵士:「ご在宅ですが・・・どうかされたんですか?」
ラーミア:「ちょっとお父様にヒロキを紹介しようと思ってね。」
兵士:「しょ、紹介って!? もしやお嬢様、その者とお付き合いを・・・」
ヒロキ:「えっ??」
ラーミア:「だから、そんなんじゃないって言ってるでしょ!!
あんた、さっきからわざと言ってない〜?」
兵士:「ちょっと・・・いえ、少しも悪気はありません。」
ラーミア:「そう・・・ならいいわ。
た・だ・し、次そんなこと言ったら・・・死刑にするわよ(ニヤ」
兵士:「は、はい! 断じてそのようなことは申しません!」
ヒロキ:「・・・・・・・・・・・・・・」
ラーミア:「じゃぁ、ヒロキ! 中に案内するわ!
私についてきてね?」
ヒロキ:「あっ、はい! 喜んで!
(‘喜んで’って・・・俺は一体何を言ってるんだ?)」
そのときのラーミアの顔は
今まで見せたことないような笑顔満開だった。
でも、俺と兵士には逆にその笑顔が
とても恐ろしく感じられて仕方なかった・・・
ともかく、俺は言われるがまま中へ。
そして、国王と対面する・・・
(TO BE CONTINUE)
サマーw