やっと夏休み〜
さぁ〜て、テストも終わったことだし、今週はとことん遊ぶぞー!!
まずは友達と久々に集まって飲み会とかやりたいね。
あとは、服とかカバンとかも買いに行かないとね!
さぁ、この夏休みはがんばるぞー。
SIGN OF SOUL
第16話 もう1人のリサ
裏球へ向かう途中の空間で、
次元の狭間に落とされてしまった俺。
しかし、急に声が聞こえてきて、
幸にもその次元から出ることができた。
そして、その声はまぎれもなくリサの声だった!
俺は彼女を助けるため彼女を襲っていた敵、
ゴーレムと戦おうとしていた・・・
ヒロキ:「・・・怪我はないか?」
???:「えっ、あぁ、うん。 大丈夫です。」
ヒロキ:「良かった。 あとは任せてくれ。
やいテメェ、よくもリサを苦しめやがって、絶対許さねぇー!!」
ゴーレム:「どこのガキか知らないが、死にたくなければそこをどけ!」
ヒロキ:「嫌だ! 絶対に退くもんか!
俺はリサを助けに来たんだ。 それまでは絶対に逃げたりしない!」
???:「(この人・・・どうしてそこまで私の事を・・・)」
ゴーレム:「なら、この手で殺すまでだ!」
ヒロキ:「やれるもんならやってみやがれ!
俺はあの時とは違うんだ!」
治癒の魂は貰っていくぞ!
たす・・・け・・・て、ヒロキ・・・・・・
ヒロキ:「(そうだ、あの時は何もできなかった・・・
でも、今は違う! 俺はもう逃げたりしない!
何もしないで失うような事・・・もう絶対にしない!!)」
ハアアアアアアアアアーーー!!
俺は武器も持たぬままその敵に突っ込んでいった!
ゴーレム:「ふん、武器も使わずにオレに勝とうなんてあまい!」
ゴーレムはその大きな拳を振り下ろしてきた!
ヒロキ:「(俺は・・・もう逃げないんだぁ!!)」
ズガーーーーン!!
???:「キャーーーーーーー!」
ゴーレム:「ふん、威勢のわりには呆気なかったな。
さて、あとはあの小娘だけだ。」
???:「そ、そんな・・・・・・・
(じいやに続いてあの人まで・・・私のせいで、私のせいで・・・)」
イヤァーーーーーーーー
ゴーレム:「いくら叫んだってもうあのガキは死ん・・・」
リサに手を出すなぁぁーー!!
ゴーレム:「なっ、なんだと!?」
ヒロキ;「俺は絶対に・・・負けねぇーーー!!」
俺は渾身の力を込めて拳をぶつけた!
ドーーーーン!
ゴーレム:「グハァーーーー・・・」
ゴーレムはそのまま消えていった・・・
ヒロキ:「ハァ、ハァ、ハァ・・・・・・
・・・や、やっつけたのか?」
???:「(こ、この人、すごく強い。)」
ヒロキ:「(俺、できたんだな。 この手で敵を倒すことが・・・)」
リサを救いたい一心でいっぱいだったので、
俺は自分でどうして敵を倒せたのかよく分らずにいた。
ヒロキ:「(そうだ、リサ!)」
俺はリサのそばに駆け寄った。
ヒロキ:「だ、大丈夫だったか?」
???:「あっ、うん。 助けてくれてありがとう。」
ヒロキ:「・・・ごめん。」
???:「ど、どうして誤るのよ?」
ヒロキ:「俺があの時もっとしっかりしていれば
こんな事にはならなかったんだ・・・。
運命の女神が知らせてくれたのに、俺は何もできなかった。
だから、リサの魂を救えなかった。 本当にごめん。」
???:「ちょ、ちょっと待ってよ。
そのリサの魂って何のことよ?」
ヒロキ:「覚えてないのか? あの学校での出来事を。
リサ、あの時魂取られてこっちの世界に連れて来られたんだ。」
???:「覚えてないも何も、私はあなたが言うリサじゃないわ。」
ヒロキ:「えっ? 何言ってるんだ?
じゃあ、君は一体・・・」
???:「私? 私の名前はラーミア。あなたは?」
ヒロキ:「俺はヒロキ。」
ラーミア:「ヒロキ・・・って言うのね。」
ヒロキ:「・・・本当に、リサじゃないんだよな?」
ラーミア:「そうだけど・・・」
ヒロキ:「そうか・・・。
ま、無事でよかったよ。 本当に・・・」
ラーミア:「それは・・・あなたが助けてくれたから・・・
もし、あなたが来てくれなかったら私は・・・
本当にありがとうございました。」
ヒロキ:「い、いや、そんな礼を言われるほどのことじゃあ・・・」
俺はその子が真剣に言ってるので
ちょっと照れくさかった。
ヒロキ:「あ、あとさ、俺のことは‘ヒロキ’でいいよ。
あなたとか言われると・・・何かしっくりこないって言うか・・・」
ラーミア:「・・・ぷ、何それ? 可笑しいw」
ヒロキ:「そ、そうかな? アハハハハ・・・痛ぇ!」
ラーミア:「ど、どうしたの?」
ヒロキ:「急に右腕が・・・痛ててて。」
ラーミア:「大丈夫? ちょっと見せてみて?」
ヒロキ:「だ、大丈夫だってこれくらい。」
俺は少し強がってしまった。
何だかリサに見つめられてるみたいで
すごく恥ずかしかったからだ。
ラーミア:「どれどれ・・・!!
ああ、こんなに腫れ上がってるじゃない!」
ヒロキ:「うわぁ、本当だ!
・・・もしかしてさっきの戦いのせいで。」
ラーミア:「・・・ちょっとジッとしててね。」
そう言うと、ラーミアは俺の腕に両手を掲げ、
なにやらブツブツと言い始めた。
すると、不思議なことに俺の怪我は
みるみるうちに治り、きれいさっぱり消えたのである!
ヒロキ:「き、君は一体・・・」
ラーミア:「私にもよく分らないの。
まだ幼かった頃、ある友達が傷ついていて死にそうだった時、
心の底からその友達を救いたいって願った瞬間
なぜだか知らないけどその友達の傷が治ったのよ。
それ以来、私はある程度の傷なら治せるようになったの。」
ヒロキ:「へぇ、そんなことがあったんだ・・・」
ラーミア:「・・・変ね。この話は他の誰にも話さなかったのに。
どうしてだろう・・・ヒロキにはこんな簡単に話せるなんて。」
ヒロキ:「・・・・・・・・・・・・・」
ラーミア:「ってこんな事ヒロキに話したってしょうがないよね。
ごめんね、変な事ばっかり言っちゃって。」
ヒロキ:「えっ、そ、そんなことないよ。
君がその力で俺の傷を癒してくれたじゃないか。ありがとう。」
ラーミア:「そ、そんなたいしたことじゃないわ。
ヒロキが私を命をかけて守ってくれたお礼よ。
あ、あと、私のことは、ラ・・・ラーミアって呼んで。
ヒロキがヒロキなら私はラーミアだから・・・」
ヒロキ:「・・・そう、だよな?
君はラーミアって名前あるもんな。ごめん、ラーミア。」
ラーミア:「もう、また謝ってる!
そんな謝ることないじゃない!
ヒロキは私を助けてくれたんだから。
いつも通りでいこうよ。 ね?」
ヒロキ:「(いつも通りに・・・・・・ね)
そうだな。いつまでも暗い顔してられないよな。
(ましてや、こんなリサそっくりな女の子のまえじゃぁ・・・)
行こう、ラーミア! ラーミアのいた場所に!」
ラーミア:「・・・うん。」
こうして俺はリサそっくりの子
‘ラーミア’と共に彼女の住む町へ向かった!
でも、この子が俺の運命を大きく変える存在だとは
このときの俺にはわからなかったんだ・・・
(TO BE CONTINUE)
ゴルァ!