虫うるせー!
今週で前期最後の授業。
さぁ、テスト範囲聞いて一気に駆け抜けていこう!!
・・・正直、やる気がおきないOTL
SIGN OF SOUL
第11話 約束
魔王ガオスの仕業で俺は傷つき、
リサの魂を奪われてしまった!
そして、最後の希望として
運命の女神が俺に伝説を伝えに来た。
大いなる闇を払い、地球とは別の世界・・・
裏球に未来をもたらすための力を持つ者、
その運命に選ばれた光の戦士が俺だということを!
そして、リサも伝説に記されている
聖なる力を持つ者であるということも。
それによると、俺と聖なる力を持つ2人の魂が
奇跡を起こし世界に光をもたらすらしい。
理由がどうであれ、リサの魂は魔王に奪われ、
今はもう1つの世界‘裏球’にあるんだ!
そんな世界があるなんて今でも信じられないが、
俺が行かなきゃリサは帰ってこないんだ!
だから、俺は行かなくちゃいけないんだ!
魔王ガオスを倒してリサを連れ戻すために!
俺はその決意を固め、夢から覚めた・・・
ケンジ:「先生! ヒロキが目を覚ましました!」
医師:「そうですか。 どうですか、体の具合は?」
ヒロキ:「・・・大丈夫です。」
医師:「しかし、君も運が良い。 こうして無事に目を覚ますことが奇跡みたいだよ。
君の怪我・・・正直言うとかなり危険な状態だったんだよ。
もしかしたらこのまま目を覚ますことがないかもしれないくらいに。」
ケンジ:「そんなにひどかったんですか?」
医師:「そうですね。全身大火傷していましたね。」
ケンジ:「そうなんですか。 でもヒロキ、一体何があったんだよ!?」
ヒロキ:「・・・俺は、全然運なんて良くないです。」
ケンジ:「はぁ? 急に何言ってるんだよ?」
ヒロキ:「先生、リサは? もう1人の女の子の様子はどうなんですか・・・」
このときの俺はもう真実を知っていた・・・
でも、心の隅でその事を疑っていた。
もしかしたら、まだ無事でいるかもしれない。
いや、もう起きていつもの元気な姿で
俺の前に現われてくれるかもしれない。
そうあってほしいと思っていた・・・
医師:「君と一緒に運ばれてきた女の子の事だね? 彼女は君のお友達かい?」
ヒロキ:「・・・・・・・はい。」
医師:「・・・だったら、伝えるべきかもしれないですね。」
ケンジ:「一体何をです?」
医師:「彼女は・・・全く意識がないんです。」
ヒロキ:「!!」
ケンジ:「なっ、冗談でしょ、先生!」
医師:「・・・冗談ではありません。彼女にはこれといった外傷はありませんが、
どうやら強いショックを受けて気絶したのでしょう。
しかし、いくら呼びかけても何の反応もないのです。」
ケンジ:「そ、そんな・・・・・・」
医師:「君、彼女と一緒に倒れていたんだったね。
一体何があったのか覚えている範囲でいいから話してくれないかね。」
ヒロキ:「・・・やっぱり、あれは本当のことだったのか・・・。」
ケンジ:「あれって・・・?」
ヒロキ:「・・・こんなこと話しても信じてくれないかもしれないけど、
リサは・・・リサは・・・・・・
俺の目の前で魂を奪われたんです!」
ケンジ:「なっ、何言ってるんだ!?」
ヒロキ:「ウソなんかじゃないんだ、ケンジ。
・・・覚えてるか、あのネットの占いのこと・・・」
ケンジ:「あの占いがなんだって・・・まさか!?」
ヒロキ:「お前には話してなかったけど、
あの占い、リサもやったんだ。俺のすぐあとに。
そのときに出た結果にはこう出たらしいんだ・・・
‘近いうちに大切なものと別れ、闇に包まれてしまうでしょう’って
それで今日、その占いが実現して、俺の目の前で・・・」
ケンジ:「・・・そうだったのか、だからあの時リサはお前を追いかけていったんだな。」
ヒロキ:「! どういうことなんだ?」
ケンジ:「お前が屋上へ向かったすぐ後、リサは俺にこう言ったんだ。
‘このままじゃヒロキが死んじゃう、助けに行かなきゃ!’って。
俺は何を言ってるのかさっぱりわからなかったけど、
そういうことだったのか・・・。」
ヒロキ:「リサが!? 俺のことを・・・」
ケンジ:「ああ。ヒロキ、お前が闇に消えていく夢を見たから嫌な予感がするって
このままだと、お前が消えていなくなるみたいなことつぶやいてたぜ。」
ヒロキ:「・・・・・・リサ・・・・・・」
医師:「ちょっと君達、何を言ってるのかい?
彼女の意識が戻らないのは魂が奪われたなんて本当に言うのかい?」
ヒロキ:「・・・俺も本当は信じたくはないんです。
でも、俺は見たんだ! リサの魂を抜かれる瞬間を。
あれは夢や幻じゃなかった。現実に起きたんだ!
それに、俺とリサを襲ったのはこの世界の者じゃないんです。
こことは別の世界から来た魔王の仕業だったんです!」
医師:「アハハハハ・・・、君、大人をからかっちゃいけないよ。
こことは別の世界? 魔王? ゲームや漫画のやりすぎだよ。
とにかく、私は他の患者を見に行かなくてはいけないから。
冗談はほどほどにしていたほうがいいですよ。」
そう言って医師は病室を出て行った。
ケンジ:「あの先生、俺たちが嘘を言ってるというのか?」
ヒロキ:「いいんだ、ケンジ!」
ケンジ:「ヒロキは頭にこないのか?」
ヒロキ:「・・・無理もないさ。
こんな夢物語みたいなこと誰も信じてくれないさ・・・」
ケンジ:「ヒロキ・・・・・・
俺は信じるよ。お前とリサが言ったこと。」
ヒロキ:「ケンジ?」
ケンジ:「あの占いの結果が今回のことに関係してるんだろ?
だったら一応俺にも責任がある。
あの占いを教えたのは俺だし、それに俺たち親友だろ?」
ヒロキ:「ケンジ・・・・・・ありがとう。」
ケンジ:「なぁに、例を言われるほどのことじゃないだろ?
それにしても、どうしてそいつはリサの魂を奪っていったんだ?」
ヒロキ:「それは・・・・・・」
俺は、ケンジにはちゃんと話しておくべきだと思った。
俺が運命の女神に伝えられた俺とリサの運命について、
そして、リサの魂を取り戻すためもう1つの世界に行くことを!
だって、俺の話を信じてくれる大切な親友だから。
ケンジ:「ヒロキとリサにそんな運命が・・・」
ヒロキ:「俺にだってよくわからないんだ。
でも、俺がやらなきゃいけないことは決まってる。
もう1つの世界に行ってリサの魂を取り戻す!
リサは俺の目の前で魂を奪われた。だから俺が行かなきゃいけないんだ!」
ケンジ:「1人で行くつもりなのか? そんなの危険すぎる!! 俺も行くよ!」
ヒロキ:「・・・ありがとう。でも、ケンジはこっちに残ってくれ。」
ケンジ:「なっ、なんでだよ? 俺が足手まといだというのか?」
ヒロキ:「そうじゃないんだ・・・。
ケンジ、お前にはリサを見ててほしいんだ。
もしかしたら意識が戻るかもしれないから。
それに、2人ともここから離れたらリサを見守る人がいなくなる・・・
だから、残ってくれないか?これはケンジにしか頼めないことなんだ。」
ケンジ:「・・・それはそうかもしれないけど、
やっぱりヒロキが1人で行くなんて危険だよ。」
ヒロキ:「・・・そんなことわかってるさ。でも、俺は許せないんだ!
リサの魂を奪った奴以上に何もできなかった自分自身が・・・
俺は約束したんだ、何があってもリサを守りぬくって。
けど、それもできずにリサの魂を奪われた・・・
悔しいんだ! あんなに俺のこと心配してくれたのに、
その俺が何もできずに倒れてしまったことが、悔しいんだ!
・・・このまま終わりたくない。いや、終わらせない!
最後まで俺を心配してくれたリサを死なせはしない!
俺が・・・この手で救い出してやるんだ!!
そのためにも俺は1人で行く! 頼む行かせてくれ!!」
ケンジ:「ヒロキ・・・お前・・・・・・」
この時、俺はどうしようもない感情が
抑えられずに思わず悔し涙を流した・・・
そうだ、リサがこうなったのも俺のせいだ!
俺が守りきれなかったからなんだ!!
だからこそ、俺は1人で行く。
リサとの約束を果たすためにも。
それに、もうイヤなんだ!
リサみたいに大切な者を奪われるなんて!
これ以上、傷つく者を出すのはもう・・・
だから、ケンジにはここにいてほしい。
俺はそう願ってケンジに話したんだ。
ケンジ:「・・・わかった。リサは俺が責任もって見ているよ!
けど、必ずリサの魂を取り戻して来るって約束だぜ!」
ヒロキ:「ケンジ・・・。 おう、約束だ!」
俺は病室にてケンジと約束した!
必ずリサの魂を取り戻して帰ってくることを!
そして、それまでリサを見守って待っててくれと!
そのあと、俺は医師に退院しても大丈夫と言われ
心配してるだろう家族の待つ家に向かった・・・
(TO BE CONTINUE)
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