雨が心を癒す・・・?

かぁーっと晴れたり、ザーッと雨降ったり、
ここのとこ天気の変化がちょっと激しくないだろうか?


でも、ま、雨降ってるほうが涼しくて過ごしやすいけどさ。
これで音がうるさくなかったらいいんだけどねぇ・・・






SIGN OF SOUL
第9話 もう1つの世界





         マインドビジョン!



         そう運命の女神が唱えると、突如目の前に
         眩い光が俺の視界を遮り、そのまま俺を包んだ!
         俺は驚き思わず目をつぶってしまい、
         しばらくして恐る恐る目を開けてみると・・・



ヒロキ:「・・・一体今の光は・・・!?
     なっ、なんだここは? 俺の知らない場所だ・・・




         目の前にはとてもきれいな草原が広がっていた。
         風が静かに流れていて、虫達も踊っているようだ。
         とても心地よい場所だった。
         俺は、ここはきっと地球の別の場所だと思った。
         それを確かめるため俺は歩き始めた・・・




ヒロキ:「ふぅ〜、それにしても広い草原だなぁ〜。
     運命の女神が言うにはここは地球じゃないみたいだけど、
     どこを見ても地球そのままじゃないか?
     この草も流れる風も一面の青空も・・・
     ここが地球のどこだかわからないけど、絶対ここは地球だ!




         俺はとりあえず近くに何かあると考え、
         あてもないが歩き続けた・・・




ヒロキ:「はぁ〜・・・。もう結構歩いたはずなんだけどなぁ〜。
     そろそろ町の1つくらいあってもいい頃だと思うんだけど・・・




          ワ〜イ! 今度はそっちの番だぞっ!




ヒロキ:「? 今の声は? あっちのほうからだ!




         俺は声がしたほうへ駆け寄った!




子供1:「お前の負けだから今度はそっちが鬼の番だぞ!」

子供2:「悔しいなぁ。でも、次は負けないからな!」

子供3:「ねぇ、もうそろそろお昼だから村に帰りましょ?」

子供1:「そうだな。この続きはあとでやろう!」

子供2:「え〜、もうお昼かぁ〜。つまらないの!」

子供3:「くだらないこと言ってないで早く帰りましょ!」




         どうやらこの近くの子供達が遊んでいたようだ。
         俺はこの子達に聞けばここがどこなのかわかると思い、
         思い切って声をかけてみた!




ヒロキ:「なぁ、君達この近くの子だろ?
     俺・・・お兄ちゃんにここはどこだか教えてくれないかな?

子供1:「じゃあ、誰が1番速いか村まで競争だぁ!」

子供2:「いいね!今度はボクが勝つよ!」

子供3:「ちょっと、おいてかないでよ〜。」

ヒロキ:「ちょ、おい! お兄ちゃんの言うこと聞いてくれ?




         呼びかける声も空しく、子供達は走り出した!
         俺もあとを追うように駆け出した!




ヒロキ:「くそっ! 無視しやがって!
     このまま見失ってたまるかぁ〜!
     ・・・しかし、あいつら速いなぁ〜。
     俺も本気で走ってるのに、ちっとも追い付けねぇ・・・。




         そして、しばらくして子供達は村へと着いた。




ヒロキ:「ハァ、ハァ、ハァ・・・
     なんちゅう子供達だ。まだガキなのに・・・ハァ、ハァ、ハァ・・・
     でも、ここまで来ればここがどこなのかが聞ける!




         俺は子供達に続くように村へと入った。
         そして、そこで思わず声を上げてしまった!



ヒロキ:「なっ、なんだここはー!?




         俺がたどり着いた村は、思いもしなかった姿だった!
         着物みたいな服を着た人達、障子の窓、
         そして、教科書に載ってるような古い住居・・・
         まるで江戸時代にタイムスリップしたみたいだった。
         それはそれとして、とりあえず近くの人に声をかけてみた。



ヒロキ:「あのぉ、すいませんが・・・



          ・・・・・・・・・・・・・・・



ヒロキ:「聞きたい事があるんですが・・・


          ・・・・・・・・・・・・・・・



ヒロキ:「ここって何て言う町ですか?



          ・・・・・・・・・・・・・・・


ヒロキ:「何で無視するんだよー!!



          ・・・・・・・・・・・・・・・


ヒロキ:「一体なんなんだよ、ここは!
     ・・・はっ! もしや、ここは現代語が通じないのか!?
     ・・・いや、あの子供達は普通に日本語喋ってたしな〜。
     じゃあ、何で無視されるんだよー!! ちっくしょー!!




          俺は急にムカッとしてそこに転がってる石を蹴飛ばした!
          そしたら、すぐ近くに座ってたおじさんに当たってしまった!



ヒロキ:「やっ、やべ〜! 逃げなきゃ!




          俺はとっさに逃げようとした!
          けど、何か様子が変だった・・・



おじさん:「なっ、なんだ!? 石が勝手に飛んできやがった!?
      さては、また誰かが魔法をいたずらにして遊んでやがったな!
      絶対に許さんぞ!! 必ず見つけてやる!!」




          そう叫ぶとおじさんはどこかに走っていった・・・




ヒロキ:「・・・とりあえず、助かったのかな。
     でも、どうなってるんだ? あの石は俺が蹴った石なのに
     全く俺に気付かずにどこかに行っちまった・・・。
     ・・・まてよ、俺に気付いてない!? ま、まさか・・・




          そう、この時、俺は思った!
          きっとこの世界の人達には俺が見えてないんだって!
          でも、俺はこうしてこの世界を見てるし、
          人々の話や様子を聞いたり感じたりできる。
          やっぱりこれもあの夢の続きなんだろうか?
          運命の女神は一体何を伝えようとしているんだ?
          考えれば考えるほどわからなくなっていく・・・



          そして、わけもわからずまま、村をぶらつき始めた・・・




ヒロキ:「とりあえず、ここがどこで何が起こってるのか情報がほしいな。



          俺はとにかく歩いてみた。
          もっと詳しく話が聞けそうな人が集まる場所へと。
          そして、一際大きな建物に辿り着いた・・・



ヒロキ:「大きな建物だなぁ〜。
     ここなら何か聞けるかもしれない。入ってみよう!



          俺はその大きな建物の中へ入ってみた。
          すると、多くの人達が集まって深刻そうにしていた。
          どうやら、丁度会議をしているようだ。
          俺はこれは情報を集めるチャンスだと思い、
          近くで話を聞くことにした。



村人1:「一体この世界はどうなるんですか?」

村人2:「何か対策はないんですか?」

村人3:「このままだとこの村はおろか裏球はおしまいです!
     この状況を奪還できる手はないんですか? 村長!!」




ヒロキ:「(りきゅう?? ここは地球じゃないのか?)




村長:「・・・残念ながら、私達の力では魔王の力には到底及ばない。
    今、各国の戦士達を集め、対策を練っているようなんじゃ。」

村人4:「私達も魔法で協力しましょう? 村長!」

村長:「わしもそうしたいんじゃが、わしらの魔法じゃかえって足手まといにしかならん。
    わしらにできることは、願うことだけじゃ。」

村人5:「もし、この村が襲われても、ですか?」

村長:「魔王は力を増してきている・・・。
    おそらく、こんな村など奴らに襲われたら・・・。
    とにかく、皆の衆には安全な場所に避難するよう呼びかけてほしい。
    やつらが襲ってくる前に安全な場所に・・・」

村人6:「この村を捨てると言うんですか!?」

村長:「・・・わかってくれ。もうこれしか・・・
    わしらが生き延びるにはこの村を出るしかないんじゃ。」

村人達:「・・・村長、村長がそう言うなら仕方ないですね。
     今から避難する準備をするよう呼びかけます。」

村長:「うむ、頼んだぞ。」




          どうやら会議が終わったようだ。
          何がどうなっているかわからないけど、
          どうやらここは地球ではないことは事実だ!
          今の話でわかったことは、
          この世界が魔王の手にかかって
          危険にさらされているっていうことだ。
          俺とリサを襲ったのも・・・そいつなのか?
          運命の女神もこの世界の者なのか?
          まだまだわからないことだらけ!
          でも、このあと俺は自分の運命の真実を
          少しずつ聞かされることになるのだった・・・



                    (TO BE CONTINUE)


はいはいやー!!