サイン オブ ソウル

大会への道〜深き森編パート6〜

     町に向かって進んでいる3人。
     この森がどこまで続いているかを調べると・・・
     山を越えないと町にいけないことを知ってしまった!
     いつ始まるかわからない大会に出るため
     そして、早く森をぬけたいため
     3人は今以上にペースを上げていった・・・



チル、この森はもう少しでぬけるんだよな?
俺たちは走りながら話していた。
はい! このペースなら夜までにはぬけられると思います。
チルは大体の距離を覚えていた。
よし! このまま今日中に森をぬけてしまおうぜ?
俺とチルはまだ平気だったが・・・
ちょ、ちょっと待ってよ・・・
さすがにラーミアにはきつかったようだ。
ラーミア、大丈夫か?
俺が声をかけると、
大丈夫な訳ないでしょ。
 2人とも早くてついていけないわよ・・・。
 ねぇ、ちょっと休まない? さっきから走りっぱなしで疲れたわ。

ラーミアはあまりに走り疲れてその場に座り込んでしまった。
そうですね。 ラーミアさんのためにも休みましょう?
チルもラーミアのために休んだほうがいいと言った。
でも俺は・・・
そ、そんな。 今日中に森をぬけたいのに・・・

 チルはまだ大丈夫だよな?」
俺はチルに聞いてみた。
ええ、私なら平気です。
 でも、それがどうかしたんですか?

チルは何でそのような質問をしたのかと聞き返してきた。
もう少しで日も暮れ始めるっていうのに
 こんなとこで休んでなんかいられないって!

俺は少しでも早く森をぬけてしまいたかった。
じゃあ、休ませてくれないってこと?
ラーミアは目で休みたいと訴えてきた。
そうじゃないって!
 俺がラーミアを背負って走ればいいと思ったんだ!
 そうすればラーミアが休みながら先に進めるだろ?

俺は頭にうかんだことを言った。
えっ!? 背負う!?
 (ヒロキがわ、わ、私を背負ってくれるの??)
 でも、それじゃあヒロキが大変なんじゃあ・・・

ラーミアはちょっと複雑な気持ちになっていた。
大丈夫だって!
 これも力をつけるための修行と思えばさ!

俺はこれも修行の一つだと考えればいいと言った。
だから・・・俺の背中に・・・乗ってくれ。
でも、いざやろうとすると結構恥ずかしくなってきた。
ええ、うん・・・わかったわ・・・。
ラーミアも嬉しくも恥ずかしくもなってきていた。
そして、ラーミアはそっと俺の背中に乗った。
うっ・・・。 重い・・・・・・
俺は出会ったときよりラーミアが重く感じられた。
・・・何か言ったかしら? ヒロキ君・・・。
ラーミアの声が裏返っていた。
俺は恐怖のあまり・・・
いえ、何にも言ってません!
 それじゃ、さっさと出発しましょう! 行きましょう!

俺はラーミアの機嫌を損なう前に走り出した。
ちょっと、いきなり走り出さないでくださいよ!
 (でも、やっぱりあの2人仲が良いです♪)

チルはそんな俺たちを見るのが楽しくなってきていた。
そう思いながら俺たちのあとを追って、さらに先へと進んでいった・・・



        その頃、とある場所では・・・・・・



クククク・・・・・やっと来ましたか。
はい、只今参上したでござる!
・・・今度の獲物はこいつらだ!
 光の力を持っている少年少女。
 この2人をお前の力で退治してもらいたいんだ!

・・・この2人でござるか?
ええ。 今回は舞台も用意してあるのだよ!
 お前にはこの少年が出場する大会に出てもらって・・・

皆の前でこいつを退治すればいいのでござるな?
 わかったでござる! 拙者に任せるでござる!
 拙者の忍法の前では、あの力も無に等しいでござるからな!

そうだな・・・。 では頼んだぞ!
はいでござる!



     あの怪しい陰謀が少しずつ俺たちに近づいていた・・・
     そして俺たちも確実にその陰謀へと進んでいる・・・



ハァ、ハァ、ハァ・・・・・・・
さすがに修行と考えても、ラーミアを背負って走るには限界があった。
ちょっと大丈夫? 息がきれてるじゃない?
ラーミアは俺に迷惑かけているんじゃないかと思い始めた。
一方俺は、これじゃあ背負って意味がないと思い
こ、これくらい平気だって!
 森をぬけるまでもうちょっとだし、何とかなるって!

せっかく休んでもらっているのに心配をかけさせたくなかった。
ヒロキさん・・・無理してないですか?
 さすがにラーミアさんを背負って走るのは重くて大変じゃないですか?

チルは思ったことをそのまま言ったつもりだったが、
俺はその時‘それは禁句だろ!’とラーミアの様子をみると・・・
・・・やっぱり重くて大変なのかしら? ヒロキ君・・・。
やっぱりラーミアは自分の体重を気にかけていた。
・・・どうなの? ヒロキ君・・・。
俺は恐る恐る顔を見ると、その顔は作り笑顔だった。
その顔を見たとたん俺は、
そんなことないって! へっちゃらへっちゃら♪

 森をぬけるくらい楽勝だぜ! 早く行っちゃおうぜ!」
何の抵抗もすることなくまた突っ走っていった!
・・・何か私悪いこと言っちゃいましたかね?
 急に2人とも態度が変わってしまったんですが・・・。

チルは自分が禁句を口走ったことを知らぬまま
また俺たちのあとを追う形で先へと進んでいった。
俺はこのままいっきに森をぬけないと殺されるとさえ思って
無理に突っ走っていっていると!!



      ガルルルルル・・・・・・



またモンスターの気配がしてきた!
俺は走るのをやめ、ラーミアを背からおろした。
またモンスターだ!
 さっさと森をぬけたかったが、そうはいきそうにないな・・・。
 ラーミアはチルと安全な場所で待っててくれ。

俺は再び剣をぬいてモンスターが現われるのを待った。
もう少しで日も暮れてしまう森の中で
俺はモンスターとの戦いに挑もうとしていた・・・・・・
                     (TO BE CONTINUED・・・)



↑日が暮れる前に山まで行こうとしていたが、
 その直前でモンスターに遭遇してしまう3人・・・
 戦っている最中に日が暮れてしまい
 暗い中での戦闘になっていって・・・・・・


 次回・・・  大会への道〜深き森編パート7〜
 皆の心が・・・未来を変えていくんだ!!