サイン オブ ソウル

大会への道〜高き山編パート8〜

     地下深くで出会った芋虫の母親とともに
     子供を捜すことになった3人。
     無事見つけられればここから出してくれると約束を交わし
     3人はその母親がはぐれたと言う現場まで行くことにした・・・



ところで、さっき俺たちと出会った場所はもしかして・・・
俺は何の話もなかったのでとりあえず話題を出してみた。
はい、あの場所は私たちの棲み処です。
 もしかしたら戻ってきていると思ったんですが、
 やっぱりどこかで迷子になっているんでしょう・・・

その母親の芋虫は芋虫とはいえ俺たちと考えは同じだった。
・・・そんなに心配しなくたって大丈夫ですよ。
 きっと元気でいますって!

俺は不思議に元気付けようとした。
・・・ありがとうございます。
 あなたは本当に優しいんですね。 なんだか信じられるような気がしますわ。

姿形は違うが・・・俺は芋虫の母親を、その母親は俺を信じ始めていた。
(何か・・・ヒロキ、この芋虫といい感じじゃない!?
 なんだか・・・悔しい。)

ラーミアはこんな芋虫ごときに自分の居場所を取られるような気がして、
・・・私もそう思うわ。
無理に話に割り込んできた。
きっとあなたの子供は無事でいるわ。
 (芋虫は結構しぶとそうだしね。)
 ヒロキが信じられるなら私も信じられるわ!
 だから、元気出してください。

それを聞いた母親と俺は、
あなたも優しいんですね。
 出会ったのがあなたたちでよかったわ。

やっぱりそういうと思ったぜ。
 ラーミアは困ってる者を放っておくほどひどい奴じゃないもんな。
 俺なんかよりずっと優しいもんな。

俺はいくらキライな者だとしてもラーミアだったら信じてくれると思っていた。
あ、当たり前じゃないの!
 私、そんなひどいことしないわよ!

ラーミアはそんなこと言われたら信じるしかないと思った。
(フフフ。 やっぱりお二人を見ているのは楽しいです。)
チルはそんな俺たちのやりとりを静かに見守っていた。
もう少しで私が我が子とはぐれた場所に出ます。
その母親は現場はこの先だと教えてくれた。
この先かぁ・・・。 すぐに見つかればいいな。
俺は母親の気持ちを考え、なるべく下手なことは言うのはやめようと決めていた。
着きましたわ。 ここであの大きな地震にあってしまったんです。
母親に案内された場所は、さきほど俺たちと出会った場所とあまり変わりなかった。
ここって、さっき私たちがいた場所と同じじゃない?
 それに、ここから子供がいなくたってことは、この辺りにその跡があるはずよね?

ラーミアをはじめ、俺もチルも一通り捜してみたが、
子供が通ったような跡はどこにもなかった。
・・・どこにも跡らしきものはないな。
 あの、本当にここではぐれたんですか?

俺は母親に聞いてみた。
はい、それはまちがいありません。
 でも、どうやってここから出たのか私にも・・・

そんな時、突然チルが、
ちょっと待ってください。
 ヒロキさん、何か妙な風の流れを感じませんでしたか?

チルはどこからか風の流れがあると言ってきた。
風の流れ? ちょっと待って・・・
俺はじっと風の流れに神経を集中してみると・・・



         ヒュゥゥゥゥ〜〜〜・・・・・



確かに風の流れを感じた。
この風は・・・あっちから感じる!
俺の指差したほうにはわずかだが、穴があいていた。
ちょっと待ってよ!
 まさか、子供ってこんなに小さいわけ!?

ラーミアはありもしないことで声を上げた。
いいえ、そんなことはないです。
 きっとこの先に行った後でこの道がふさがったんでしょう。
 この辺ではよくあることですから・・・。

ってことは、この先にいるかもしれないってことだよな?
 何はともあれ、この先に行ってみよう!

俺は手がかりはこれしかないと思い、この先に進もうとした。
そうですね。 では私がここを掘りますから下がっててください。
俺たちは母親の言うとおり下がった。



         シャカシャカシャカ・・・・・



あっという間に目の前に道を作ってしまった。
よし、この先に進んでみよう!
俺たちは母親とともにその道に足を踏み入れ進んでいった・・・
                     (TO BE CONTINUED・・・)



↑奥へ奥へと進んでいく3人と母親・・・
 すると、子供の泣き声が!? 無事に見つけられたかと思った・・・
 しかし、そこに待っていたのは・・・・・・


 次回・・・  大会への道〜高き山編パート9〜
 皆の心が・・・未来を変えていくんだ!!