サイン オブ ソウル

鍛錬〜大会に出るために〜

     ストームの力をもっと使いこなすため
     チルの修行を受けたヒロキだったが、
     チルの出す風の力を剣で受け止められずにいた・・・。
     その日の夜、ヒロキはずっと悩み続け、
     ある答えを出そうとしていた!
     そして、一夜が明け、また修行が始まった・・・・・・



では、昨日と同じ事しますから、

 ヒロキさんは剣で受け止められるようしてください。」
・・・・・・ああ、やってくれ。
俺は昨日のようにならないよう気合いを入れて挑んだ!
・・・では、いきますね!
チルは昨日と同じくらいの風の力を放ってきた。
俺はもう一度その力を自分のストームにできるかどうかやってみた。



        ブォン!



でも、そう簡単にはいかず、またダメージを負ってしまったが・・・
どういうわけか昨日よりダメージが小さく感じられた俺。
・・・チル、昨日より手をぬいてないよな?
俺はチルが力を弱めているのかと思った。
そんなことしていません!
 これはヒロキさんのエレメント能力を引き出すための修行です!
 私が手をぬいては意味がありません!

チルは今まで見たことないくらい真剣だった。
それを察した俺は・・・
(手をぬいていないってことは・・・
 まさか、俺がチルの風の力を弱めているってことか!?
 ということは・・・ もっと力を集中させればもしかしたら・・・・・・)
 チル、もう一度やってくれ! 今度は受け止められるかもしれない。

俺はチルの風の力を自分のストームに変えるには、
もっと自分の力を集中させないとできないと感じた。
ねぇ、チルちゃん・・・
 ヒロキ、もしかしてわかったのかな?

ラーミアはチルに聞いてみた。
・・・それはこの一発を放ってみればわかります。
口ではそう言ったが、チルには俺がもう半分くらい理解し始めていることがわかっていた。
そして、チルはそれを確かめるため、もう一度風の力を放った。
俺はその力をストームに変えるよう目を閉じ、剣に力を集中した・・・



         ブォォォォーン・・・・・・



どうなったかはよくわからないが、
俺はダメージを全く感じられなかった!
見て、チルちゃん! ヒロキの剣が・・・!
ラーミアが見た光景とは、俺がチルの風の力を烈風斬の時のように
剣に風の渦が渦巻いているものだった!
うう・・・俺は・・・・・・
俺はゆっくり目を開け、自分の剣を見てみた!
すると、ストームまではいかなかったが、
自分の風の力に変えることには成功したようだった!
これは、まるで烈風斬の時みたいだ。
 ・・・これがチルの言っていた‘剣に受け止めさせる’ってことか?

何だかよくわからないが、チルの風の力を自分の力に変えられたことに喜んだ。
(こ、こんなに早く他人の力を自分の力に変えてしまうなんて・・・
 これも光の者の力なんでしょうか?
 ・・・しかし、ヒロキさんはまだ完全にはできていないです。
 そのことを言わなければ・・・・・・)

チルはこの修行の意図をそろそろ話そうと考え始めた。
やったじゃない、ヒロキ!
そうラーミアが言うと、
・・・いえ、まだこの修行は終わってないです。
チルの口からまた厳しいことがでてきた。
・・・それってどういうことだ、チル?
 これじゃまだストームを1秒以内につくれないってことか?

俺はさっきの受け止め方じゃダメなのかと思った。
・・・はい、まだストームを1秒以内につくれないでしょう。
 それは、私の風の力をヒロキさんのストームの力に完全に変えられるようになって
 初めて可能になることなのです。
 今のヒロキさんは、確かに私の風の力を自分の力に変えつつありますが、
 それを完全に自分の力に変えるほどの力が必要なのです。

どうやら俺の成長はまだ第一段階といったとこみたいだ・・・
完全に自分の力に変える力・・・・・・
 チル、それはどうやったら身に付けることができるんだ?

俺はやっと剣で受け止められるようになったつもりでいた・・・
だから、もっと強い力というのがわからなかった。
・・・こればかりは経験です。
 たくさんの力に触れ、もっと強い力を身に付ける・・・
 一度構成された力を自分の力に変えるには、
 その力を上回る精神力・それを自分の力に変える想像力・
 そして、その力を操る心・・・・・・
 この3つが能力を使うには必然なことなのです。
 ヒロキさんはまだこの能力に触れたばかりです。
 強くなるには、もっと力に触れなくてはいけません。

俺はチルから厳しい現実を言われ、ショックを受けたが・・・
そ、そんなに大変なんだな・・・
 でも、ここで落ち込んでちゃせっかくチルが協力してる意味がないぜ!
 俺は必ずストームを使いこなす! そのための修行なんだろ?
 それくらいはしなきゃこの戦いを終わらせられないもんな!

昨日のラーミアの言葉を覚えてた俺は、俺らしく強くなろうと思っていた。
チル、修行の続き頼むぜ!
 経験が足りないって言ったよな?
 だったらもっと修行して、チルの風の力を俺のものにしてみせるぜ!

ヒロキさん・・・・・・
 わかりました。ではどんどんいきますよ。

ヒロキ、頑張って!



     この日は一段と気合いの入った修行に明け暮れた3人
     チルの力を俺が自分の力に変える修行・・・
     時にはさっきのように渦状になったり、
     時には失敗して、傷を負ってはラーミアに癒してもらって・・・
     一日でかなりの経験を積んでいった3人は
     日も暮れたので、休むことにした・・・・・・



・・・ううぅ・・・・・・
皆が寝てからしばらくし、ラーミアがふと目を覚ました。
・・・まだ朝じゃないのね。また寝ようっと・・・・・・
ラーミアがまた寝始めようとしたとき、ふと異変に気付いた!
・・・あれ? ヒロキがいない・・・・・・
こんな時間にトイレかなと思いつつ、ラーミアは気になって周辺を調べることにした。
そして、昨日・今日と修行した場所に行ってみると!!



        ブオォォン!



        「うわぁーーー!!」



そこにはある決意をした俺が昼間の修行の続きをしている姿があった!
いててててて・・・・・・・
こんな遅くまで修行の続き?
ラーミアはそんなに頑張っている俺に声をかけてきた。
ああ、ラーミア。 起きちゃったか・・・
俺は修行を中断し、ラーミアと話をすることにした。
ヒロキ、どうしたのよ。 こんなに遅くまで?
ラーミアはどうして遅くまで修行していたのか聞いてきた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 チルが言ってたじゃん。 俺には経験が必要だって・・・
 だからもっと経験を積もうとしていたんだ!

俺は休む時間を削って経験を積もうと考えていることを話した。
経験を積もうとしていたって言ったって・・・
 もう昼間の修行で疲れているはずでしょ?
 しっかり休んだほうがいいわよ! 町までの道は長いんだからね。

ラーミアは休む時は休んだほうがいいと俺に伝えた。
・・・ありがとうな。
 けど、俺にはもう休んでる暇はないんだ・・・。

俺はそろそろラーミアには話しておこうと思い始めた。
それってどういうことなの?
実は俺・・・大会に出ようと思うんだ!
 チルが言ってたように、俺はまだ風の力に触れたばかり・・・
 経験が少ないって言われてもしょうがないことじゃん。
 だから、もっと経験を積んで強くなるために大会に出てみようと思うんだ!
 そこで俺がどれだけ強いかも確かめたいしな!

俺は俺の決意をラーミアに話した。
・・・だからこんな遅くまで修行していたって訳ね!

 いいんじゃない? ヒロキがそう決めたならね。
 ・・・でも、その前に・・・・・・」


           ポワ〜〜〜〜ン


ラーミアは俺の傷だらけの体を癒した。
大会に出る前に倒れてちゃ意味がないわよ。
 無茶はやめて、適度に休んでよね!

ラーミアは何だか嬉しそうな表情をしていた。
ラーミア・・・
 ああ、今日はこれくらいにしておくよ。
 ファァァ〜〜〜、そろそろ休むことにするzzz・・・・・・

一日中修行していたせいで、俺はその場で寝てしまった。
・・・もう、ヒロキは・・・・・・
ラーミアもそこで寝ることにした。
俺とラーミア・・・別々の夢を見ながら・・・・・・・
                     (TO BE CONTINUED・・・)



↑大会に出ることにしたヒロキ!
 そんな俺にチルは修行の相手を、ラーミアは傷の手当を・・・
 だんだん仲間らしく強くなっていく3人
 でも、世界の変動は進んでいく・・・・・・


 次回・・・  動き始めた陰謀
 皆の心が・・・未来を変えていくんだ!!